【青森】十和田観光電鉄の「存廃問題」(鈴木周作)

札幌LRTの会

2011年09月08日 21:18

正直、いささか唐突にも感じられた「十鉄(とうてつ)」こと十和田観光電鉄の存廃問題。
先週末から妻の実家の八戸に帰省してみると、地元では連日ニュースや新聞で大きく採り上げられていて驚きました。
沿線高校生の通学の足として、地味ながら堅実に運営されているものとばかり思っていたのですが、訊けばここにも「東北新幹線延伸」の影響が及んでいたようです。


十鉄の名所、稲生川の桜並木(工業高校前駅付近)
報道内容を極々簡単に整理すると…

 ・東北新幹線の延伸・七戸十和田駅開業によって、それまで十鉄~三沢経由で八戸から新幹線を利用していた乗客がマイカーで直接七戸十和田駅に向かうようになった。
 ・十和田市駅の土地所有者から撤退を求められており、新駅舎の建設に多額の投資が必要。
 (※同駅は大型ショッピングセンター内に併設。但しショッピングセンター自体は既に撤退し「空き家」となっている)
 ・十鉄は「支援が無くては存続は不可能」と窮状を訴えるも、沿線自治体の議会では「廃止・バス転換」を求める声が多勢。
 ・今月(9月)中には方向性を決める模様

…といった事情のようです。

一般的に、この種の問題には「廃止したい鉄道事業者」と「存続を求める沿線地域」といった図式が多いような気がするのですが、今回は沿線地域の「冷めた姿勢」が妙に印象的でした。
それがこの地域における鉄道の存在意義を物語っているのでしょうか?

私事ながら、拙作の水彩色鉛筆画ポストカードを駅で販売して頂いたりと、個人的にも御縁のあった鉄道会社さんだけに大変気掛かりではありますが、まずは今後の動向を関心を持って見守っていきたいと思います。


※ご参考までにニュースサイトのリンクをいくつか掲載します。

>>十鉄存続要望が大勢/十和田市民 (2011.09.08 東奥日報Webサイト)
>>十和田電鉄 廃線の危機 (2011.09.06朝日新聞Webサイト)
>>3市町議会、十鉄存続支援に難色 (2011.09.05 東奥日報Webサイト)
>>十鉄廃線現実味増す (2011.09.03読売新聞Webサイト)
>>十和田観光電鉄正念場 沿線3市町の議会 支援に難色 (2011.09.03河北新報Webサイト)
>>鉄路存続困難か/十鉄・財政支援 (2011.08.29 東奥日報Webサイト)

 (札幌LRTの会・鈴木周作
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