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【札幌LRTの会】 ~札幌の市電・路面電車と公共交通~ › 海外の話題 › 札幌の姉妹都市,ポートランドの市電紹介8

2005年07月29日

札幌の姉妹都市,ポートランドの市電紹介8

数日前の北海道新聞「まちかど」欄は,在ポートランドの記者が
書いていたようで,その挿絵にはライトレールのMAXをイメージ
したものが使われていました.内容はLRTとは無関係でしたが,
オレゴン州ポートランドのイメージはMAXで定着?

ポートランド・ストリートカーは米国のナショナルモデル
とまで言われていますが,その成功の鍵は何だったのでしょう?

最近も Bruner財団より2005年 Rudy Bruner賞 (for Urban Excellence)の金メダルを
授与されました.


www.brunerfoundation.org/rba/p/2005rba.html
ダウンタウンに近接しながら,元が鉄道操車場や関連する施設の跡地だったため
利用されなくなっていたパール地区が,ポートランド・ストリートカーの開業を
きっかけに,見事に再生されたというのが受賞の理由です.


その受賞を待つまでもなく,いかにしてストリートカーを導入
したのか,今では大都市を含む全米の各地からポートランドへ
MAXだけではなくストリートカーにも視察にやってきます.

その成功要因をまとめると,次のようになるでしょう.
●連邦政府からの補助金をあてにせず,地方自治体と沿線の事業者などからの資金で建設したこと.連邦政府予算を使うことからくる制約にしばられることなく,また時間のかかる諸手続きが不要となったのは大きいです.●地元が推進する都市再開発計画とうまく連動できたこと.ストリートカーは交通手段のみならず,"a development tool"として利用されました.●MAXというLRTによる成功例が間近にあったこと.日本と違いストリートカーには人を魅了する力がありました.何といってもMAXや,ストリートカーに先んじてMAXのダウンタウン区間で運転されていたヴィンテージ・トロリーの影響が大きかったでしょう.

このほかリストにするほどではありませんが,
MAXのような大型ライトレール車両ではなく,より軽量で
速度も遅いストリートカーで路面を走らせたこと.

これは時間と経費の節約に貢献します.引換えに定時運行が
難しくなりましたが,GPSによる案内表示で,次の電車が
あと何分で着くかを判るようにしたため,待つのがあまり
苦にならなくなりました.今では電源を確保できない一部の
電停を除いて全てに導入されています.
これが経費のより掛からないバスだったなら,人とお金は
集まらなかったとも言われています.

次にポートランドのダウンタウンでは1ブロックの長さが
比較的短く,以前から歩いて回るのに適していたこと.

電停も2-3ブロックおきに設けられ,かなりこまめに停まる
印象が強く,電停から目的地まで歩く距離は短いです.

最後にポートランドではライトレールなどへの反対派があまり
目立たず,地元の新聞やテレビ局などからも,さほど目の敵に
されていないようにも思われること.

もしもその通りだとすれば,これも要因の一つになるでしょう.
本当は実情を在住者から聞きたかったところなのですが,
今回は間に合いませんでした.
隣のワシントン州シアトルでは,これと逆のことが起こって
いるようにみえます.


ただし成功がいつまでも続くかどうかは予断を許しません.
以下は2004年2月時点の話で,その後の情報に接する機会があり
ませんが紹介しておきます.

ポートランド・ストリートカーは路線をポートランド市が所有
しており,非営利の Portland Streetcar Inc. が市と五ヵ年の
DCOM(design, construction, operations and maintenance)契約を
結んで運行されています.
年間予算は約280万ドルで,このうちポートランドを含む近隣の
三郡の交通機関を運営するTriMetが160万ドルを負担し,スポン
サーその他から約25万ドル,残り90万ドル強をポートランド市が
負担しています.
市はこの財源を得るために,ストリートカーが通るリバー地区
(パール地区の一部で鉄道操車場のあった場所)での駐車違反者
への罰金を値上げするなどを行いました.

それでもポートランド市は,厳しくなる財政事情のため年間90万
ドル強の補助金捻出が難しくなってきていています.

そこで市は,ストリートカー建設時に Local Improvement Districts
(LID)などとして1,400万ドルを出した沿線の事業者らに,開業で
利益を得たのだからと更にお金を出すよう求めました.しかし
これはさすがに反発にあったようです.
その後どうなったかはわかりません.

www.bizjournals.com/portland/stories/2004/02/02/story3.html



ps-gobysign.jpg
ストリートカーの背後の建物は,その名もずばりストリート
カー・ロフトと言います.この画像からは見えづらいですが,
ロフトには GO BY STREETCARのネオンがあります.
Amtrakのユニオンステーションのものをもじったものです.

Google MapsやGoogle Earthに下記座標を入力すると,その場所が表示されます.
ストリートカー・ロフト 緯度経度 座標 45.530155,-122.682524
ユニオンステーション 緯度経度 座標 45.528990,-122.676483




訂正や続報などがありましたら逐一報告しますが,これで
「ポートランド市電の紹介」は終了とさせていただきます.

(海外情報室 担当S)

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Posted by 札幌LRTの会 at 04:15 │海外の話題

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