宿舎最寄り駅のSan Bruno駅は,BARTの全43駅の中で平日の平均
乗降客数が42位でした.道理でいつ行っても人影が少なかった
わけですね.(ちなみに最下位はNorth Concord/Martinez駅)
隣接駅も例外ではなく,Caltrainとの乗換え駅であるMillbrae駅や,
なんとSFO空港駅でさえ下位10位前後に留まっているのです.
そう言われてみれば朝のラッシュ時にSan Brunoから乗車した
際に,あまりのガラガラさに拍子抜けして心配になりましたが,
途中のDaly Cityあたりからは立ち席が出るのを見てホッとした
記憶があります.その体験を数字が如実に物語っていました.
www.bart.gov/docs/station_exits_FY.pdf
膨らむ経費と利用者低迷のため,BARTはすでに承認した2003年
開業区間(Peninsula extension)の割増料金に加え,経費節減のため
同区間で朝夕のラッシュ時だけ増発していた列車の廃止,週末の
San Bruno駅などの閉鎖を8月の公開ヒヤリングに諮るようです.
これまで朝夕ラッシュ時は二系統で7分間隔としていましたが,
これが日中夜間と同様に一系統だけの15分間隔となります.
SFOやMillbraeまで行くのは一系統だけとなり,他の系統は全て
Daly Cityで折返しです.
利用者数の低迷は当局の見通しの甘さもあったのでしょうが,
CaltrainのBaby Bulletsが健闘していることも要因の一つです.
3月にはSan JoseからBaby Bulletsに乗りましたが,途中から
ほとんど一席も残らず席が埋まるのを見て感心したものです.
8月からは一挙に大増発となるダイヤ改正もあります.
CaltrainのBaby Bulletsは,Caltrain沿線客にとって目的地のサン
フランシスコの場所によってはBARTより早く到着でき,運賃も
安いのが人気をあと押ししています.
その増発に備えてか,MillbraeのCaltrain駅サンフランシスコ方面にも待避線が
建設されました.時刻表では使う列車は8月以降も無さそうなので,予備的な
ものかもしれません.場所はGoogle Earthでかろうじて判別できますので,
以前のMillbrae駅舎が残っているあたりを探してください.
BARTはMillbraeからCaltrainの通勤客を運ぶことを期待して
いましたので,この見込み違いは大きかったようです.
以前はラッシュ時に設定されていた,MillbraeからSFO空港駅を
経由せずにサンフランシスコ方面に向かう系統も,経費節減の
ため廃止されてしまいました.3月の時点ですでに全てのBARTが
MillbraeからSFO空港経由でサンフランシスコに向かうように
なっていましたが.これにより所要時間は5分余計に掛かるとの
ことです.
BARTは利用者数が低迷するPeninsula extensionの運行経費を,
サンマテオ(San Mateo)郡のトランジット・エージェントである
SamTransから受け取っています.このあたりの経緯はよく判り
ませんが,サンマテオ郡が三つのカウンティー(郡)からなる
BARTのテリトリー(SFBARTD)に入っていないからのようです.
サンマテオ郡は当時のSouthern Pacific鉄道,現在のCaltrainで
足りると考えゴールデンゲートブリッジの北側に位置する
マリン(Marin)郡とともに,BART建設開始前の1961年にはBART
から手を引いていました.
San Bruno駅のバスターミナルに来ていたバスがSamTransによる
運行です.
7/28 追記
今回のラッシュ時の減便などの提案は,BARTからではなく
SamtransからのものだとBARTスポークスマンは強調しています.
参考
www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2005/06/30/MNG5LDH1II1.DTL
www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2005/07/26/BAGVNDTH5B1.DTL
www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2005/07/27/BAGH7DU99K1.DTL
(海外情報室 担当S)