市電フェスティバルの展示品から(早川 淳一)
早川です。本文記載は久々になりました。
鈴木さんと同様、私も市電フェスティバルの会場にいました。
主だった展示物は鈴木さんが紹介されていますので、私からはちょっとだけ。
検修棟内にこんな方向幕が展示されており、子供たちが面白がってクルクルと回していました。
実はこの方向幕、1971年12月から1973年3月までの1年3ヶ月の間だけ使用された「レアもの」なのです。
1971年12月の地下鉄南北線開業に伴う市電路線の一部廃止を機に、それまで4丁目十字街で直角に交差していた西4丁目線と一条線の間に連絡線が新設され、完全な「循環線」となる2系統の運行が開始されました。この方向幕は当時のもので、全部のコマを示したシートと共に展示されていました。
しかし、地下鉄東西線の着工を機に一条線の一部区間が廃止された際、西4丁目線も併せて廃止され、一条線と山鼻線が分断された現存路線の形態となったのです。
当時は引き続き、1975年頃までに市電路線を全廃する予定であったため、一部区間の「先行廃止」もやむを得ない…と捉えられたのでしょうが、その後のオイルショックを機に「半永久的存続」が決定されると、利便性の向上のため「ループ化・延伸」が望まれるようになる…という経緯で、今日に至っています。
街づくりのツールとして市電を活用するためには、やはりどのように機能を「向上」させるか?という点についての検討が必要になると思います。
このような展示物の中から、少しでもそうしたことを考える「ヒント」が拡がってくれると良いのですが、どうでしょうか…?
関連記事