【活動報告】札幌LRTの会 2010年3月例会議事録

札幌LRTの会

2010年04月03日 23:27

 先日開催された札幌LRTの会2010年3月例会の議事について御報告させて頂きます。
 (開催日:3月14日(日) 出席者:7名)


■1.路面電車サミット関連 

 5月21日(金)~5月22日(土)開催予定の路面電車サミット富山大会について
 (参加者取りまとめ、諸連絡等)


■2.まちづくりセミナーとその後の「雑感」について

 3月10日(水)に開催された
 「環境の視点から札幌の交通を考える市民セミナー」
 (主催:自主・自立まちづくりネットワークSOS)について、
 参加者からの報告と意見交換。
 
 ----- 主な意見 -----
  ※会員同士の自由討論によるもので、必ずしも当会としての公式見解ではありません。

 (セミナーの展開についての全体的感想)
  ・ 環境問題などにもウイングを拡げた展開を目指していたようだが、
    ルート案に対しての関心がやはり強く、ほとんど時間が取られなかった。
  ・ 郊外地区にも、市電・LRT活用による軌道系交通機関新設の要望がある。
    現段階では、こうしたアクセス改善へのニーズをどう具体化して行くのか、
    意見が絞り切れていない。
  ・ 都心地区での市電延伸については、郊外への将来的な延伸展開の可能性を
    どう示すかもカギになるのではないか。
    そうでなければ、郊外地区のニーズにどう応えるかという点に繋がらない。

 (延伸計画の進め方)
  ・ 当局側の長期計画が事前にオープンになると、
    計画確定前に投資を呼び込み、地価が吊り上げられる危険性がある。
  ・ 従って、ある時期までは「潜水艦」で計画を進める必要がある。
  ・ イタリアなどのように、こうした開発計画がオープンになった段階で
    関連地区の地価を凍結するような手段は採れないか。
    それでなければ、補償費用等が予定以上に掛かってしまう。
  ・ とはいえ、あまりに情報不足というのも良くないのでは。
    計画について、市民や市長の「誤った判断」を招くことに繋がりかねない。
  ・ 延伸計画にはやはり「コア」となる事例が必要。
    そのショーケース効果を基に、次の展開へ繋げる必要がある。
  ・ そのためにも、都心の延伸計画から「成功体験」を得なければならない。
    それをステップに、郊外への展開を図るようにしたい。
  ・ 突然「高速道路都心乗り入れ」案がぶち上げられているが、
    札幌市の都市戦略が何を目指しているのか判らない。
    アレもコレもではなく、戦略的な集中と選択が必要では。

 (なぜ市電延伸計画に賛同が広がらないのか)
  ・ メインストリートの路線から撤退して久しく、利用もほぼ沿線住民がメイン。
    日常的に市電を利用する機会がほとんどない市民が多いことが、
    理解の広まらない原因ではないか。
  ・ 更新を重ねているとはいえ、今の車両はあまりにも新味がない。
    低床車など、利用者にとって「良い車両」が導入されることが、一番インパクトがある。
  ・ 新車導入に際しては、バリアフリー予算の対象となっていない。
    今のところ札幌では、バリアフリー化に向けた施設改修なども考えられていない。
  ・ 利用する機会が少ないのなら、市民団体の主催で「体験乗車」のようなイベントを行い、
    実際に乗りながら意見を交わすなどの機会を作っては如何。

 (路線案について)
  ・ 創成川東線を推す印象が強いが、なぜか。
    この路線に「都心連絡」の機能を担わせることは出来ない。
  ・ 西4丁目案・西2~3丁目案のいずれにしても、創成川より西側のルート設定でないと、
    駅前と大通の両地区を「直結」する効果は期待出来ない。
  ・ 都市戦略を差し置いて、とりあえず「造り易い所に造る」ような発想はして欲しくない。
  ・ 山鼻南線が突然計画案に採り上げられていたが、この線の存在意義が今もって判らない。
    延長するとミュンヘン大橋経由で澄川地区へ向かうルートになるが、
    そこまで考えているのか。
  ・ 路線案に付随して、その後の展開を提案することも大事ではないか
    (沿線の活性化にどう繋げるか・イベントの可能性・運賃体系など)。

 (まちづくり団体同士の連携) 
  ・ 路線案一つとっても、「連携」を取ることの難しさが感じられる。
  ・ 互いの目的や利益に大きな隔たりがある以上、緩やかな連携に留まることになるのでは。
  ・ 緩やかな市民団体の連携を図るために、各々の主張を活かしつつイベントなどを打てないか。
  ・ 反対意見と、どう折り合いを付けるかが問題。
    「ウチの案に乗れないなら連携しない」ような態度は採るべきではない。


■3.小樽市博物館セミナー

 3月21日(日)に小樽市総合博物館本館(旧小樽交通記念館)で開催された
 当会・吉見会長の講演「レールのある公共交通を中心にしたまちづくり」について
 (「博物館ゼミナール・小樽学」の一環として開催)

  ・ 世界のLRT事情(ヨーロッパ・アメリカ)
  ・ 日本の路面電車の現状、活用に向けての展望(どこを走るか・どうやって運営するか)など

 以上

関連記事