【札幌市営企業調査審議会】交通部会7/5開催
公開の会議であり、議事録も公表されているものですので、ここで紹介させて頂いても差し障りはないでしょう。以下、太字は札幌市営企業調査審議会・平成18年度交通部会議事録からの引用です。
まず、同委員は市電の存続決定、そして「さっぽろを元気にする路面電車検討会議」等での活用方策の検討について、『
経済界は真っ向からこれに反対』『
特に商業者については、(市電は)
むしろない方がいいという極論まである』とした上で、市電のあり方について次のように述べられています。
『
この市電路線図をちょっと見ていただきたいんですが、静修学園からずっと地下鉄と並行して走っていますね。それから西15丁目から西4丁目まで地下鉄と並行しています。ですから、電車を存続するのは私は賛成です。だけれども、今のまま残す必要はないんじゃないか。例えば静修学園と幌平橋をつなごうとします。それから西15丁目でもいいですけれども、それと西18丁目の地下鉄駅をつなぎましょう。そうすると、地下鉄と電車がループ化されます。 ~後略~』
・・・どう思われますか?
西線側から見れば、札幌駅までの乗換えが1度から2度に増える。今まで乗換え無しで行けた大通エリアや中央区役所でさえ1度の乗換えが強いられる。山鼻線側から見ても、札幌駅までの乗換え回数は変わらないものの、すすきのに出るだけでも1度の乗換えが必要になる。
何より、「地下鉄と結んでループ化」と言えるのであれば、現時点でも既に西4丁目~すすきの間は地下鉄南北線によって「ループ化」されている、ということになります。
確かに運行距離が縮まることによって若干のコスト削減には繋がるかも知れませんが、それ以上に著しく利便性が低下し、収支の悪化はもとより、街の装置としての存在意義すら薄らいでしまうでしょう。ひとつのアイディアとしてはなかなか面白いものの、失礼ながらあまりに非現実的と言わざるを得ません。
そもそも、市電と地下鉄が並行しているから1本は要らない、というのは所詮机上の論理。実体験に乏しく地図上だけで公共交通を語る御仁にありがちな傾向です。利用者の視点に立てば、各々の担う役割の違いは自ずと理解できると思うのですが…。
穿った見方かも知れませんが、前後も含めて同委員の発言を傍聴席から伺った限り、本意は西15丁目、幌平橋接続云々ではなく、「札幌駅延伸だけは認めない」との強い御意向がおありのようにも感じられました。
公共交通の在り方は、あくまで利便性、公共福祉の観点から語られるべきであり、それ以外、個人的な事情や立場、主義主張、ましてや政治的思惑等に左右されるべきではないと考えます。
「延伸中止」を公約に掲げた新人候補が先の市長選で落選した後、初めて開かれる交通部会。どのような事が語られるのか、関心をもって見守りたいと思います。(
鈴木周作)
>>札幌市営企業調査審議会・平成18年度交通部会議事録全文はこちらを御覧下さい(札幌市交通局Webサイト)
【札幌LRTの会公式サイト】
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