【札幌市営企業調査審議会】平成19年度交通部会・傍聴報告
昨年度の審議で、
平成13年答申(>>6/25付当ブログ参照)を根拠に延伸・ループ化論に異論を呈したA部会長、
「現市長の市電存続方針に経済界は真っ向から反対」と強く主張し、地下鉄並行区間の廃止をも唱えたB委員は前期限りで退任。存続・延伸を
「市長の人気取り」と批判していたC委員が今回は
「路面電車活用について他都市の視察など積極的にやって欲しい」とむしろ活用推進とも取れる発言をされる一方、
「都市づくりの一環として延伸・ループ化を進めるべき」と主張していたはずのF委員は一転
「存続自体が無理がある。札幌駅延伸は無駄ではないか?」と全く逆の問題提起をされました。(
>>昨年度の審議については7/2付当ブログ参照)
しかし、昨年度と比べると各委員からの発言は少なく、その内容も存続・活用推進派/否定派とも既に何年も前から言われてきた事の繰返しに過ぎず、率直なところいささか物足りなさも否めない審議ではありました。
詳細な議事録は後日、交通局Webサイト等で公開されると思いますが、まずは路面電車に関する各委員からの発言の要旨を整理して紹介します。
■利用客が大幅に伸びて経費を賄える状況になるとは予測できない。
市長が決断したが存続自体に無理がある。
残すならどうやって残すか真剣に考える必要がある。
街全体の中で活用すると言うが抽象的。
存続・延伸によって利用客が増えるのか?
地下歩道も作っているので札幌駅延伸は無駄ではないか?
■魅力ある車両で札幌駅まで延伸して欲しい。
ヨーロッパで走っているような低床車など、
観光客がそれに乗って街を見てみたいと思うような市電が札幌駅にあると良い。
■路面電車活用について、他都市の視察など積極的にやって欲しい。
■現状のまま残すのではなく何らかの改善をして残す方向だが、
老朽化も進んでいて費用も掛かる。
簡単には結論は出ないので時間を掛けて考えたい。
廃止するのは惜しいが、延伸できるのかどうか?
もうちょっと様子を見るしかないのかな?という気がしている。
予算概要や「交通局実施プラン」についての説明もありましたが、既に交通局Webサイト等で公表されていますので割愛させて頂きます。
個人的には、例えば「延伸問題」であれば、
●市民まちづくり局が中心になって策定される「基本計画検討フレーム」の中に盛り込まれるであろう路線案の検討状況。
●「さっぽろを元気にする路面電車検討会議」において交通事業管理者(当時)が言及し、同会議による最終答申にも盛り込まれた「架線レス電車」導入可能性。
●それに関連して「交通局実施プラン」に記載されている「低床車試験導入の検討」の進捗状況(即ち、試験導入する低床車に「架線レス電車」という選択肢はあるのか?)。
…等々、もう一段踏み込んで聴いてみたい事柄もあったのですが、各委員からそのような意見や質問が全く出されず、交通局からも特に目新しい情報が示されなかったのは少々残念に思いました。
以上、取り急ぎご報告まで。(
鈴木周作)
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