遥かなる「250m」…【早川 淳一】
この週末、当会の例会に出席した帰り。
最終の「スーパーカムイ55号」で旭川へ戻る前に撮影した、札幌駅西改札口前からのショットです。
この場所から、地下鉄さっぽろ駅の北改札まで、通路と階段で優に250mほどあります。
旭川に住むようになって、1年ちょっと。札幌へ出掛ける際にはJRの「休日きっぷ」(往復特急自由席利用・週末2日間限定で4,400円)などを利用する機会も多く、気軽に往復することが出来ます。
しかし、JRで札幌に降り立った「おのぼりさん」の立場からすると、ココからさらに長い距離を歩き、地下鉄に乗り換えて大通へ行く位なら、駅前近辺でほとんどの用が足りてしまいます。百貨店に家電量販店、書店に専門店、ほぼないものはなく(逆に、大通地区には家電量販店がなくなった)、こだわらなければこの界隈で「完結」出来るのですね。
例会の帰路、コーヒータイムにお付き合いして頂いた当会の某先輩が、「雨や雪にも当らないで済むし、一日過ごしても飽きないモノが揃っている。ある意味ではレジャー施設並ですよね」と、駅前界隈の様子を評していました。これで一日過ごせるのなら、札幌駅前からわざわざカネと手間を掛けて、都心部を「回遊」しようという人が少なくなるのも、うなずけます。
こうなるとやはり、駅前地区だけが「一人勝ち」のような状況にならないようにするためにも、駅前で一日過ごそうとする地方からの来客を、都心部まで連れて来る交通手段の充実が必要だと思います。それも、階段などで下りて行かなければ判らない地下鉄駅や地下通路ではなく、駅のコンコースからスッと乗れるような交通機関であれば、都心「回遊」の動機付けにもなるでしょう。
そう考えると、
路面電車の駅前延伸は決して「無駄」な投資ではないと思います。アクセスの容易さと、ランドマークとしての「視認性」の良さが、何よりのメリットになるでしょう。
路面電車は何も、「山鼻地区だけの足」にしかならない…と、こだわることはないのです。
適正な投資を行い、良い付加価値を与えれば、市民だけでなくこの街を訪れる人にとっても、判り易く使い易い「マチの足」になりうるのです。
…道路が造れなければ「近代都市」になれないと信じている一部の「経済人」の方には、身びいきなたわごととしか取って戴けないのかも知れませんが…。
でも、路面電車の可能性を信じているのは、決して我々だけではないと思います。
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