【バッテリートラム】今後の導入予定は??

札幌LRTの会

2008年03月25日 12:23



昨秋より続けられてきた「ハイブリッド市電」ことバッテリー駆動式低床路面電車(LRV)の走行実験も終了し、今後の展開、特に札幌市電における営業車としての採否が大いに注目されるところですが、これまでの経緯を踏まえると選択肢はどうやら3つに絞られそうです。

【A】 ニッケル水素電池方式による、川崎重工製のハイブリッド低床車両(SWIMO)の導入

【B】 リチウムイオン電池方式(鉄道総研方式)による、川崎重工以外の車両メーカー製のハイブリッド低床車両の導入

【C】 バッテリー非対応の従来型(架線方式)低床車両の導入
札幌市では平成19年度策定の「第2次札幌新まちづくり計画」において、平成22年度までに低床車両1両の導入を謳っており、今後、車種選定等の具体的検討が早期に進められるものと思われます。
「まちづくり計画」では導入する車両について具体的には触れられていませんが、これまでの市長や交通局幹部の発言からも、延伸を見据えた「ハイブリッド車両」の採用を検討していることは明らかです。

【A】については、川崎重工では平成20年春からの「SWIMO」量産車の受注活動開始を既に表明していますし、札幌市としても先の走行実験で車両規格と軌道・設備との「マッチング」は確認済みです。過去の市電・地下鉄車両の納入実績からも、条件さえ整えば本採用の可能性は高いように思われます。

【B】については、純然たる研究機関である(財)鉄道総合技術研究所(鉄道総研)によって開発された「Hi-tram」が営業車として販売される可能性は低いものの、同車のバッテリー技術を低床LRV製造実績のある各車両メーカーが自社製品に搭載する可能性は考えられます。

【C】は最も望ましくないケースですが、先の走行実験で重大な技術的問題が発覚、もしくは車両仕様・価格等が札幌市の事情にそぐわない場合、ハイブリッド車両の採用を断念し従来型(架線方式)車両に落ち着く可能性も否定はできないでしょう。


…あくまで私見ですが、やはり本命は「SWIMO」と見るのが妥当でしょうか?

いずれにせよ、待望の低床車両導入はいよいよ具体化しつつあり、余程の事が無い限りは3年以内には実現しそうな情勢です。
今後の進展を大いに期待をもって見守っていきたいと思います。(鈴木周作


※参考:国内メーカーによる低床LRV製造実績(カッコ内は主な導入先都市)
 ・新潟トランシス(熊本・岡山・富山・高岡)
 ・近畿車輛(広島)
 ・アルナ車両(鹿児島・長崎・松山・高知・函館)
 ・日本車両(豊橋・福井)

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※バッテリートラムの仕組みや、札幌での走行実験に至る経緯などを整理したコンテンツを当会公式サイトに公開致しました。宜しければぜひご一読下さい。
>>【札幌LRTの会】だれでもわかるハイブリッド/バッテリートラム

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※過去のバッテリートラム関連ブログ記事(主なもののみ)
>>【バッテリートラム】走行実験終了!「SWIMO」札幌撤収(08.3.21up)
>>【バッテリートラム】おつかれさま…「Hi-tram」札幌撤収(08.3.12up)
>>【バッテリートラム】「SWIMO」営業路線で走行開始(07.12.17up)
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【札幌LRTの会公式サイト】

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