【札幌LRTの会】 ~札幌の市電・路面電車と公共交通~ › 海外の話題 › ポートランド市電の紹介3 (アメリカ視察旅行より)
2005年07月05日
ポートランド市電の紹介3 (アメリカ視察旅行より)
豊平川の花火大会の時期ですが,16時間遅れて7月04日の夜を
迎えたポートランドでも独立記念日を祝う花火大会が,ウイラ
メット川(Willamette River)沿いの公園で行われている頃でしょう.
www.waterfrontbluesfest.com/films_features/fireworks.html
最近はポートランド日記になってしまい申し訳ないです.
一応札幌に話題を引っ張っておきますと,花火の夜空と札幌市電
ということで,市電に花火が写し込まれたウィズユーカードが今
販売されていますね.
迎えたポートランドでも独立記念日を祝う花火大会が,ウイラ
メット川(Willamette River)沿いの公園で行われている頃でしょう.
www.waterfrontbluesfest.com/films_features/fireworks.html
その公園は30年前までは川沿いの自動車道路だったそうですが,廃止して公園にしてしまいました.公園になる前の道路↓www.portlandonline.com/auditor/index.cfm?&a=24845&c=27928 ちなみに当会が三月上旬に訪れた際,公園はやや季節外れの桜がちょうど満開でした. |
最近はポートランド日記になってしまい申し訳ないです.
一応札幌に話題を引っ張っておきますと,花火の夜空と札幌市電
ということで,市電に花火が写し込まれたウィズユーカードが今
販売されていますね.
ポートランドのストリートカー(市電)は,米国で第二次世界大戦
後に近代的な車両を用いた路面電車としては初めての開業でした.
MAXをはじめとするそれまで米国で開業していたLRTとは異なり,
その建設費は連邦予算に頼ることなく,ほとんどポートランド市と
その沿線地域からの税金だけで賄っています.
2001年夏の開業以降,全米が固唾をのんで見守っていましたが,
年々利用者を増やし続けて現在では成功例として紹介されるように
なってきました.
ポートランドのストリートカー(市電)は,MAX(Metropolitan Area
Express)とは別に現在はダウンタウンの中だけを走り,沿線には
地区最大規模の病院やポートランド州立大学(PSU)などのほか,
再開発で活気を取り戻したパール地区などがあります.
一番人通りが多そうなダウンタウンのトランジットモールからは
数ブロックも離れていますし,現在MAXが走る通りとも一ヶ所で
交差しているだけです.
下記サイトの地図もご参照ください
www.portlandstreetcar.org/map.php
www.trimet.org/schedule/r193map.htm
実は最初にダウンタウン内を循環するストリートカーを建設しようと
案が出た際,現在バスだけが頻繁に走るユニオン駅から南下する
トランジットモールの通りを走らせようとしていました.しかし
一部で反対があり,ほぼ現在のルートに落ち着きます.その時に
決め手となったのがパール地区の再開発計画でした.
ポートランド・ストリートカー公式サイトの地図(上記地図アドレス
の上段のほう)で,薄紫色に塗られたところがPearl Districtです.
このパール地区は,20年前には鉄道の操車場とそれに続く倉庫群
などで,とても商売したり住んだりするような場所ではありません
でしたが,操車場の廃止後,地区再開発計画が立てられます.スト
リートカーの計画も盛り込まれていました.しかし実現性を帯びて
くるのは1986年に最初のMAXが開業し,その成功が広く認められる
ようになった1990年代なかばです.
計画が明らかになるとともに,パール地区にはお金と人が集まって
きました.どこのサイトだったか失念しましたが,バスが走って
いるだけよりも,ストリートカーが走っているほうが商業施設が
集まりやすかったというようなことを,沿線の人が言っていました.
これもMAXによる経済効果を間近でみた結果なのでしょう.
現在ではパール地区には魅力ある店舗が並ぶようになり,倉庫を
リニューアルしたオフィスやロフト,高層マンション(コンドミニ
アム)などの完成により,賑わいを増していきます.
Pearl District Shopping (英文のみ)
www.shopthepearl.com/
Hoyt Street Properties (英文のみ)
www.hoytstreetproperties.com/
パール地区をはじめとしてポートランドのダウンタウンの道路は
比較的狭いため一方通行も多く,また歩道沿いにパーキング
メーターを設けていることも多いため,ストリートカー(市電)は
一ブロック離れて単線で線路をひくことになりました.
ループ運転するわけです.最終的には北西部にある地域最大の
病院まで路線を延ばして建設が開始されました.
しかし建設途中でPSU(ポートランド州立大学)まで路線を伸ばして学生を乗せよう
ということになり,南側のループから延長線を引きました.そこでも道路が狭い
などの理由で複線にはできず,一ブロック離れて単線で線路を敷きます.しかも
八の字を描くように途中で交差するのですが,ちょうどその交差部分に渡り線が
あります.これが建設開始当初の南側終点ループの名残りだとか.
ストリートカーの建設資金は,ポートランド市と沿線の事業者が
中心となって供出していきました.連邦予算をほとんど使って
いないのです.
(つづく)
(海外情報室 担当S)

PSU(ポートランド州立大学) キャンパスの中の電停
木洩れ日の中で電車を待つ学生
(撮影は2005年5月)
後に近代的な車両を用いた路面電車としては初めての開業でした.
MAXをはじめとするそれまで米国で開業していたLRTとは異なり,
その建設費は連邦予算に頼ることなく,ほとんどポートランド市と
その沿線地域からの税金だけで賄っています.
2001年夏の開業以降,全米が固唾をのんで見守っていましたが,
年々利用者を増やし続けて現在では成功例として紹介されるように
なってきました.
ポートランドのストリートカー(市電)は,MAX(Metropolitan Area
Express)とは別に現在はダウンタウンの中だけを走り,沿線には
地区最大規模の病院やポートランド州立大学(PSU)などのほか,
再開発で活気を取り戻したパール地区などがあります.
一番人通りが多そうなダウンタウンのトランジットモールからは
数ブロックも離れていますし,現在MAXが走る通りとも一ヶ所で
交差しているだけです.
下記サイトの地図もご参照ください
www.portlandstreetcar.org/map.php
www.trimet.org/schedule/r193map.htm
実は最初にダウンタウン内を循環するストリートカーを建設しようと
案が出た際,現在バスだけが頻繁に走るユニオン駅から南下する
トランジットモールの通りを走らせようとしていました.しかし
一部で反対があり,ほぼ現在のルートに落ち着きます.その時に
決め手となったのがパール地区の再開発計画でした.
ポートランド・ストリートカー公式サイトの地図(上記地図アドレス
の上段のほう)で,薄紫色に塗られたところがPearl Districtです.
このパール地区は,20年前には鉄道の操車場とそれに続く倉庫群
などで,とても商売したり住んだりするような場所ではありません
でしたが,操車場の廃止後,地区再開発計画が立てられます.スト
リートカーの計画も盛り込まれていました.しかし実現性を帯びて
くるのは1986年に最初のMAXが開業し,その成功が広く認められる
ようになった1990年代なかばです.
計画が明らかになるとともに,パール地区にはお金と人が集まって
きました.どこのサイトだったか失念しましたが,バスが走って
いるだけよりも,ストリートカーが走っているほうが商業施設が
集まりやすかったというようなことを,沿線の人が言っていました.
これもMAXによる経済効果を間近でみた結果なのでしょう.
現在ではパール地区には魅力ある店舗が並ぶようになり,倉庫を
リニューアルしたオフィスやロフト,高層マンション(コンドミニ
アム)などの完成により,賑わいを増していきます.
Pearl District Shopping (英文のみ)
www.shopthepearl.com/
Hoyt Street Properties (英文のみ)
www.hoytstreetproperties.com/
パール地区をはじめとしてポートランドのダウンタウンの道路は
比較的狭いため一方通行も多く,また歩道沿いにパーキング
メーターを設けていることも多いため,ストリートカー(市電)は
一ブロック離れて単線で線路をひくことになりました.
ループ運転するわけです.最終的には北西部にある地域最大の
病院まで路線を延ばして建設が開始されました.
しかし建設途中でPSU(ポートランド州立大学)まで路線を伸ばして学生を乗せよう
ということになり,南側のループから延長線を引きました.そこでも道路が狭い
などの理由で複線にはできず,一ブロック離れて単線で線路を敷きます.しかも
八の字を描くように途中で交差するのですが,ちょうどその交差部分に渡り線が
あります.これが建設開始当初の南側終点ループの名残りだとか.
ストリートカーの建設資金は,ポートランド市と沿線の事業者が
中心となって供出していきました.連邦予算をほとんど使って
いないのです.
(つづく)
(海外情報室 担当S)

PSU(ポートランド州立大学) キャンパスの中の電停
木洩れ日の中で電車を待つ学生
(撮影は2005年5月)
【海外の話題】札幌市電そっくりの…!?
快挙!!パリの路面電車復活
札幌の姉妹都市,ポートランドの市電紹介8
SFO BARTの苦悩
ポートランド市電の紹介7 (アメリカ視察旅行より)
『チロル鉄道博物館(オーストリア)』と相互リンク致しました。
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Posted by 札幌LRTの会 at 13:59
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