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【札幌LRTの会】 ~札幌の市電・路面電車と公共交通~ › 海外の話題 › ポートランド市電の紹介6 (アメリカ視察旅行より)

2005年07月17日

ポートランド市電の紹介6 (アメリカ視察旅行より)

ps-11th.jpg
11番街(11th Ave.)にて (2005年3月 撮影)

札幌はこの週末ようやく夏らしい暑さとなりましたが,
どうも長続きしないようですね.ポートランドでも気温が
あまり高くない日が続いていましたが,予報では日曜日の
最高気温は32℃まで届きそうです.

予定通りなら先日7月01日,チェコ共和国の車両製造工場で,
ポートランド・ストリートカー向けの増備車両(3両)の生産が
開始されているはずです.1両目の納入は来年6月予定とか.
この増備は今年3月に0.6マイル(1km弱)の路線が延長したのに
続き,来年にもほぼ同じ距離の延長が予定されているためです.

■現在
PSU(ポートランド州立大学)までだった路線が,今年3月にリバー
プレイスまで延長されました.ここも開発計画があり,今はまだ
更地も残っていて人影もまばらですが,これから急速に変化して
いくことでしょう.

ps-rp.jpg
リバープレイスの様子(2005年5月撮影)
Google Maps利用による衛星写真と地図

Google Mapsで使用されている地図と衛星写真は多少古いためストリートカーの
軌道は載っていませんが,こちらで2005年3月に開業した区間を補足しました.


(リンク先は試験運用のため予告無く削除することがあります)


リバープレイスより先も,やはり開発が進むサウス・ウォーター
フロント地区へ向けて延長工事が進んでいます.そこは元々
Willamette Shore Trolleyの軌道があったところですので,困難な
工事ではないと思われます.もう完成したころかもしれません.
しかし車両が間に合わないため開業は来年秋(2006年9月30日)に
なる見込みです.

サウス・ウォーターフロント地区の終点では,オレゴンヘルス
サイエンス大学(Oregon Health & Science University=OHSU)の
キャンパスと結ぶ Portland Aerial Tram(PATI)=ロープウェイと
連絡できることになっています.
www.portlandtram.com/

■未来
二つの計画があります.
一つ目は延長が予定されているサウス・ウォーターフロント地区
から更に南下してレイク・オスウィーゴ(Lake Oswego)まで行く
計画です.現在週末を中心に観光客中心の Willamette Shore Trolley
が同じルートを通っていますが,ポートランドからレイク・オス
ウィーゴまでは,19世紀終盤から蒸気運転による鉄道輸送が行わ
れていました.残念ながらその鉄道は1929年に旅客営業を廃止し
貨物のみとなりますが,1990年より Willamette Shore Trolleyと
して観光客向けのトロリーが復活しています.

もう一つはウイラメット川(Willamette River)を渡ってポートランド
の東部を縦貫する計画です.東部を北上して再びウイラメット川
を渡り,パール地区でストリートカーの現在の路線と合流する
大きなループ線にすることも検討されているようです.

■過去
ポートランドに路面電車が走るのは,MAXや今回紹介のストリート
カーが初めてではありません.1950年まではかなりの密度で路面
電車が走っていました.

往時の路線網や画像など↓
mywebpages.comcast.net/dthompso1/index.html
pdxhistory.com.tripod.com/pdxtrains/pdxtrolleys/pdxtrolleys.html


今ストリートカーが走っている10番街(10th Ave.)にも,Oregon
Electric Railwayという郊外へ向かう鉄道が二十世紀初頭に走って
いて,パール地区にポートランドのターミナル駅がありました.
今でもレンガ造りの建物は残っているそうです.

レプリカが作られ今でもヴィンテージ・トロリーとして走るCouncil Crest Trolleyも,
オリジナルは1950年にポートランドから路面電車が消えるまで最後まで残った
路線を走っていました.


Council Crestとは近くの山の頂にある公園の名前で,遊園地がありました.観客輸送
目的で路面電車が開設されたのです.1929年に遊園地閉鎖後もポートランドの街並み
が遠望できる公園へ行く人々のために,その路線は最後まで残りました.
pdxhistory.com.tripod.com/ampark/bluelake/columbiabch/crest/crest.html


レプリカを製造したのは Gomaco Trolley Companyという会社で,全米のいくつかの
都市向けに同様のヴィンテージ・トロリーを作っています.
www.gomacotrolley.com/Resources/trolleylocations.html


(海外情報室 担当S)

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Posted by 札幌LRTの会 at 19:00 │海外の話題

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