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2007年06月25日
【存廃問題】議論の原点?~平成13年交通事業改革プランより~
札幌市電の「存廃議論」が浮上したのは平成13年12月、私が知る限りでは札幌市が市営企業調査審議会・交通部会の答申を元に公表した「交通事業改革プラン」が契機だったと認識していますが、冷静に読み返してみれば同プランが決して「廃止勧告」ではなかったことは容易に理解できるはずです。
※以下、カッコ内・太字は「改革プラン」からの引用です。
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『II プランの目的と各事業の方向性
~中略~
(1) 路面電車
路面電車は,今後も乗客の減少傾向が続くと予想されるとともに,施設面の老朽化対応が必要なことから,経営が急速に悪化していくものと見込まれ,また,事業費・運営費とも低廉なバスによる代替が可能なことからも,将来の市民負担を明確にした上で,事業の存廃を含めたあり方を検討する必要がある。
一方,長く市民に親しまれている路面電車は,魅力ある都心の創造に寄与する都市の装置として,まちづくりや総合交通政策の観点から,現在,その機能向上や拡充などの活用策について検討しているところである。
これらの状況から,路面電車の方向性については,広く市民議論を行ったうえで決定することとする。』
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>>「交通事業改革プラン」全文はこちらを御覧下さい(札幌市交通局Webサイト)
このように、事業継続の難しさを指摘する一方、まちづくりに資する存在意義や将来的な可能性も認め、存廃も含めて方向性については『広く市民議論を行ったうえで決定する』としています。少なくとも、決して「廃止一辺倒」の答申ではなかったことは充分ご理解頂けるかと思います。
その後はご承知の通り、「市電フォーラム」等を通じて広く市民議論が交わされた末、最終的には平成17年2月に「存続・活用」の方向性が導き出されました。「改革プラン」の趣旨にも沿った、極めて順当な意思決定のプロセスであったと思われます。
しかし、市電の存続・活用に否定的な勢力、特に「改革プラン」の元となった市営企業調査審議会・交通部会の一部委員などは、同プランを「廃止勧告」であると解釈し、それを根拠に「廃止するはずのものを行政当局の独断で覆された」との主張を今だ展開し続けているようです。
勿論、市電問題には色々な意見があって然るべきですし、反対意見も含めて様々な立場から議論が交わされるのは良い事だと思いますが、事実は事実、経緯は経緯として正しく認識しておかねばなりません。更に言うなら、単に自論が通る通らないという次元ではなく、広い視野から議論の行方、情勢の変化を冷静に受け容れることも必要です。
「我々が廃止しろと言ったのに、今更存続・活用とは何事か!」との主張では、所詮はメンツの問題、とのそしりは免れないでしょう。(鈴木周作)
【2007.6.29追記】
本年度の市営企業調査審議会・交通部会が7月5日(木)に開催されます。傍聴自由。>>詳細はこちらを御覧下さい。
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『II プランの目的と各事業の方向性
~中略~
(1) 路面電車
路面電車は,今後も乗客の減少傾向が続くと予想されるとともに,施設面の老朽化対応が必要なことから,経営が急速に悪化していくものと見込まれ,また,事業費・運営費とも低廉なバスによる代替が可能なことからも,将来の市民負担を明確にした上で,事業の存廃を含めたあり方を検討する必要がある。
一方,長く市民に親しまれている路面電車は,魅力ある都心の創造に寄与する都市の装置として,まちづくりや総合交通政策の観点から,現在,その機能向上や拡充などの活用策について検討しているところである。
これらの状況から,路面電車の方向性については,広く市民議論を行ったうえで決定することとする。』
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>>「交通事業改革プラン」全文はこちらを御覧下さい(札幌市交通局Webサイト)
このように、事業継続の難しさを指摘する一方、まちづくりに資する存在意義や将来的な可能性も認め、存廃も含めて方向性については『広く市民議論を行ったうえで決定する』としています。少なくとも、決して「廃止一辺倒」の答申ではなかったことは充分ご理解頂けるかと思います。
その後はご承知の通り、「市電フォーラム」等を通じて広く市民議論が交わされた末、最終的には平成17年2月に「存続・活用」の方向性が導き出されました。「改革プラン」の趣旨にも沿った、極めて順当な意思決定のプロセスであったと思われます。
しかし、市電の存続・活用に否定的な勢力、特に「改革プラン」の元となった市営企業調査審議会・交通部会の一部委員などは、同プランを「廃止勧告」であると解釈し、それを根拠に「廃止するはずのものを行政当局の独断で覆された」との主張を今だ展開し続けているようです。
勿論、市電問題には色々な意見があって然るべきですし、反対意見も含めて様々な立場から議論が交わされるのは良い事だと思いますが、事実は事実、経緯は経緯として正しく認識しておかねばなりません。更に言うなら、単に自論が通る通らないという次元ではなく、広い視野から議論の行方、情勢の変化を冷静に受け容れることも必要です。
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【2007.6.29追記】
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【札幌市電】「ループ化」延伸ルートの現状
【札幌市】市長記者会見記録(市電ループ化・低床車両関連)
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Posted by 札幌LRTの会 at 13:05
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