【札幌LRTの会】 ~札幌の市電・路面電車と公共交通~ › 札幌市電の歴史 › Sapporo Tram Oldies (2) 〜榎 陽氏のアルバムから(早川 淳一)
2005年07月10日
Sapporo Tram Oldies (2) 〜榎 陽氏のアルバムから(早川 淳一)
この写真と現在を比較すると、バックの建物が大きく変わっていることがお判り頂けると思います。
まず、大通西3丁目角の明治生命館は撮影直後に解体され、1971年に現在のビルに建て替えられています(現 明治安田生命札幌大通ビル)。壁面に取り付けられた大きな温度計が特徴のこのビルもさらに建て替えが予定されているようで、既に大半のテナントが撤退しています。
また写真後方の三越札幌店も、この当時は1932年5月開店以来の建物で営業していました。駅前通側に飛び出している躯体部分(6階建て)が開店当時の店舗で、1956年頃(?)に8階建てに増改築されています。店の面積も今より狭く、ちょうど現在の店舗で見ると4基並んでいる客用エレベータの左側2基目辺りが、当時の店舗の端になっていました。この店舗は1970年2月限りで閉鎖され、1970年3月に新店舗の1期工事(元富士銀行・北陸銀行の敷地を買収して新築。現店舗の客用エレベータ右側2基より奥の部分)が竣工して移転。その後、旧店舗を解体した部分に第2期工事が行われて、1971年10月に全館が竣工しています。
さらに、奥に見えるシャープのネオン(半分だけですが)のビルは、現在の札幌パルコの場所にあった「コマツ靴本店」です。手前(4丁目十字街角)にあった「コマツ靴店」とは親類同士の経営だったそうですが、仲違いしたためか(?)別に店舗を構えていました。現在40代以上の札幌っ子なら一度はお世話になった老舗の靴屋さんで、1975年8月に札幌パルコがオープンした際もほぼ同じ場所で2店並んで入居していたのですが、数年で両店とも撤退しています。
背景の中で唯一、現在と変わらないのが札幌一銀ビルです。1968年に竣工したのですが、この当時は「第一銀行札幌支店」でした。その後、銀行合併に伴い1971年10月から「第一勧業銀行札幌支店」、2002年4月から「みずほ銀行札幌中央支店」と改称されていますが、ビルの名称はそのままです。
走行中の車両は、華麗なスタイルから札幌市電の車両史上に残る名車といわれる「連結車」A830形A839+A840(1965年製)と、路面ディーゼル車D1020形の車体を利用して電車化した710形713(1968年製)です。
713は1970年にワンマン化され、路線縮小後も活躍を続けましたが、1987年に廃車。
そしてA839+A840は、連結車の運用縮小に伴い1976年に名古屋鉄道に譲渡され、モ870形873+874に改造・改番の上、主として美濃町線で使用されました。岐阜でも「どさん娘」の愛称で親しまれ、冷房化・ワンマン化などさまざまな改造を加えられながら活躍を続けましたが、2005年3月限りで美濃町線を含む名鉄岐阜地区軌道線(鉄道線の揖斐線を含む)が廃止され、現在は旧岐阜工場に留置されています。
駅前通のこの区間から市電が消えて、既に34年。
果たして再び、この場所に電車は還って来るのでしょうか…?
まず、大通西3丁目角の明治生命館は撮影直後に解体され、1971年に現在のビルに建て替えられています(現 明治安田生命札幌大通ビル)。壁面に取り付けられた大きな温度計が特徴のこのビルもさらに建て替えが予定されているようで、既に大半のテナントが撤退しています。
また写真後方の三越札幌店も、この当時は1932年5月開店以来の建物で営業していました。駅前通側に飛び出している躯体部分(6階建て)が開店当時の店舗で、1956年頃(?)に8階建てに増改築されています。店の面積も今より狭く、ちょうど現在の店舗で見ると4基並んでいる客用エレベータの左側2基目辺りが、当時の店舗の端になっていました。この店舗は1970年2月限りで閉鎖され、1970年3月に新店舗の1期工事(元富士銀行・北陸銀行の敷地を買収して新築。現店舗の客用エレベータ右側2基より奥の部分)が竣工して移転。その後、旧店舗を解体した部分に第2期工事が行われて、1971年10月に全館が竣工しています。
さらに、奥に見えるシャープのネオン(半分だけですが)のビルは、現在の札幌パルコの場所にあった「コマツ靴本店」です。手前(4丁目十字街角)にあった「コマツ靴店」とは親類同士の経営だったそうですが、仲違いしたためか(?)別に店舗を構えていました。現在40代以上の札幌っ子なら一度はお世話になった老舗の靴屋さんで、1975年8月に札幌パルコがオープンした際もほぼ同じ場所で2店並んで入居していたのですが、数年で両店とも撤退しています。
背景の中で唯一、現在と変わらないのが札幌一銀ビルです。1968年に竣工したのですが、この当時は「第一銀行札幌支店」でした。その後、銀行合併に伴い1971年10月から「第一勧業銀行札幌支店」、2002年4月から「みずほ銀行札幌中央支店」と改称されていますが、ビルの名称はそのままです。
走行中の車両は、華麗なスタイルから札幌市電の車両史上に残る名車といわれる「連結車」A830形A839+A840(1965年製)と、路面ディーゼル車D1020形の車体を利用して電車化した710形713(1968年製)です。
713は1970年にワンマン化され、路線縮小後も活躍を続けましたが、1987年に廃車。
そしてA839+A840は、連結車の運用縮小に伴い1976年に名古屋鉄道に譲渡され、モ870形873+874に改造・改番の上、主として美濃町線で使用されました。岐阜でも「どさん娘」の愛称で親しまれ、冷房化・ワンマン化などさまざまな改造を加えられながら活躍を続けましたが、2005年3月限りで美濃町線を含む名鉄岐阜地区軌道線(鉄道線の揖斐線を含む)が廃止され、現在は旧岐阜工場に留置されています。
駅前通のこの区間から市電が消えて、既に34年。
果たして再び、この場所に電車は還って来るのでしょうか…?
デパートからデパートへ?(早川 淳一)
~1950年代の札幌~
『札幌の路面電車』 〜紀伊国屋パネル展出展作品より(10)〜
『札幌の路面電車』 〜紀伊国屋パネル展出展作品より(9)〜
『札幌の路面電車』 〜紀伊国屋パネル展出展作品より(8)〜
『札幌の路面電車』 〜紀伊国屋パネル展出展作品より(7)〜
~1950年代の札幌~
『札幌の路面電車』 〜紀伊国屋パネル展出展作品より(10)〜
『札幌の路面電車』 〜紀伊国屋パネル展出展作品より(9)〜
『札幌の路面電車』 〜紀伊国屋パネル展出展作品より(8)〜
『札幌の路面電車』 〜紀伊国屋パネル展出展作品より(7)〜
Posted by 札幌LRTの会 at 23:29
│札幌市電の歴史