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【札幌LRTの会】 ~札幌の市電・路面電車と公共交通~ › 札幌市政/区政の話題 › 【札幌市営企業調査審議会】交通部会7/5開催

2007年06月28日

【札幌市営企業調査審議会】交通部会7/5開催

市電・市営地下鉄の財政、経営計画等の調査・審議を行う札幌市営企業調査審議会・平成19年度第1回交通部会が開催されます。7月5日(木)9時30分~、札幌市交通局本局8階講堂(地下鉄東西線大谷地駅下車)にて。傍聴自由ですので興味のある方はぜひお出掛けになってみては如何でしょう?
>>詳細はこちらを御覧下さい(札幌市交通局Webサイト)

ところで、先日当ブログでもご紹介した通り、「存廃議論」の契機になったのも実はこの交通部会での審議だったようですが、昨年度の審議でも「市電反対派」の委員から、実に興味深い発言がありましたのでご紹介したいと思います。

公開の会議であり、議事録も公表されているものですので、ここで紹介させて頂いても差し障りはないでしょう。以下、太字は札幌市営企業調査審議会・平成18年度交通部会議事録からの引用です。

まず、同委員は市電の存続決定、そして「さっぽろを元気にする路面電車検討会議」等での活用方策の検討について、『経済界は真っ向からこれに反対』『特に商業者については、(市電は)むしろない方がいいという極論まである』とした上で、市電のあり方について次のように述べられています。

この市電路線図をちょっと見ていただきたいんですが、静修学園からずっと地下鉄と並行して走っていますね。それから西15丁目から西4丁目まで地下鉄と並行しています。ですから、電車を存続するのは私は賛成です。だけれども、今のまま残す必要はないんじゃないか。例えば静修学園と幌平橋をつなごうとします。それから西15丁目でもいいですけれども、それと西18丁目の地下鉄駅をつなぎましょう。そうすると、地下鉄と電車がループ化されます ~後略~』

・・・どう思われますか?

西線側から見れば、札幌駅までの乗換えが1度から2度に増える。今まで乗換え無しで行けた大通エリアや中央区役所でさえ1度の乗換えが強いられる。山鼻線側から見ても、札幌駅までの乗換え回数は変わらないものの、すすきのに出るだけでも1度の乗換えが必要になる。
何より、「地下鉄と結んでループ化」と言えるのであれば、現時点でも既に西4丁目~すすきの間は地下鉄南北線によって「ループ化」されている、ということになります。

確かに運行距離が縮まることによって若干のコスト削減には繋がるかも知れませんが、それ以上に著しく利便性が低下し、収支の悪化はもとより、街の装置としての存在意義すら薄らいでしまうでしょう。ひとつのアイディアとしてはなかなか面白いものの、失礼ながらあまりに非現実的と言わざるを得ません。

そもそも、市電と地下鉄が並行しているから1本は要らない、というのは所詮机上の論理。実体験に乏しく地図上だけで公共交通を語る御仁にありがちな傾向です。利用者の視点に立てば、各々の担う役割の違いは自ずと理解できると思うのですが…。

穿った見方かも知れませんが、前後も含めて同委員の発言を傍聴席から伺った限り、本意は西15丁目、幌平橋接続云々ではなく、「札幌駅延伸だけは認めない」との強い御意向がおありのようにも感じられました。

公共交通の在り方は、あくまで利便性、公共福祉の観点から語られるべきであり、それ以外、個人的な事情や立場、主義主張、ましてや政治的思惑等に左右されるべきではないと考えます。
「延伸中止」を公約に掲げた新人候補が先の市長選で落選した後、初めて開かれる交通部会。どのような事が語られるのか、関心をもって見守りたいと思います。(鈴木周作

>>札幌市営企業調査審議会・平成18年度交通部会議事録全文はこちらを御覧下さい(札幌市交通局Webサイト)


【札幌LRTの会公式サイト】



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Posted by 札幌LRTの会 at 15:07 │札幌市政/区政の話題
この記事へのコメント
 「シームレス」という観点が欠けた発言であるとしか、言いようがありませんね。どんなに「速く・大量」な交通機関であっても、乗り換えアクセスが不便であれば効果は半減です。「その乗り換えの間に商店街を歩かせて、一儲けしよう」という発想も、もはや古いでしょう。マチそのものの魅力が高まれば、そんな姑息な手段を採らなくても賑わいは生まれる筈です。

 東西線と並行している市電一条線が、賑わいを失わないのはなぜか?
 JRよりも所要時間ではるかに劣る広島電鉄宮島線~市内線ルートが、なぜ互角にJRと渡り合えるのか?

 …こういう例を見るにつけ、なるべくシームレスなアクセスをあまねく提供することが、都心部の公共交通を活性化し、ひいては「マチの賑わい」をもたらす一助にもなると考えますが、如何なものでしょうか?
Posted by 早川 淳一 at 2007年06月28日 21:41
地下鉄と市電は使命が違うのです。地下鉄は大量輸送高速鉄道です、そのために障害のないトンネルの中をまっしぐら。高速を出すためには駅間距離は長いほど良い、最低1kmでしょう。A点からB点に行くには良いでしょうが、その間の中間点に行くには結局1km歩かなくてはなりません。人間は350m歩くと不快になり休みたくなるのです。これは欧米では常識となっている人間工学的データです。市電なら300mおきに停留所を設けることができます、横に動くエスカレーターとある人がいったが全くその通り。札駅が流行るのは天に向かって商店街を延長しているが沢山のエスカレーターやエレベーター群で無料で運んでくれるからです。
駅前通を見ると真ん中にあたるグランドホテル近辺の衰弱振りはこの証拠といえましょう。歩いている人は壮年か若い人と、札駅から来た旅行者で老人は稀です。ゆっくり買い物しようという人には厳しい街です。
欧米のこの20年間の実例から市電を新設する市長は勝っています。あのストラスブールでも最初に反対したのは沿線の商業者です。しかし成功すると
第二線建設が計画されると早速沿線店舗買占めに入ったのも商業者でした。CO2対策にも敏感ですし、自動車の市中乗り入れ抑制策は市民のコンセンサスを得ています。ロンドン、ストックホルムでは入域料をとっています。
Posted by 臼井 寛 at 2007年06月30日 01:20

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