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2008年06月24日

【札幌市営企業調査審議会】平成20年度交通部会・傍聴報告

今回は地下鉄東西線の各駅で順次導入される可動式ホーム柵や、南北線で実施予定の女性専用車両導入実験についての説明・質疑が中心となりました。
市電に関しては、交通局による需要喚起・収益改善策や、人件費削減を進める中での安全性の確保などについての意見がありました。
また、一部委員からは北海道中央バスの路線廃止問題について交通局の対応を質す発言もありましたが、この問題は交通局ではなく札幌市(総合交通計画部)の所管であり、交通局としてバス事業者に対して働きかけるような事は無いとの回答でした。

我々にとって気になる路面電車活用方策/延伸問題については、札幌市(総合交通計画部)による基本計画(案)の策定待ち(※平成21年度を目標に策定中)であることから現時点で交通局としての具体的な動きはなく、ノンステップ低床車(LRV)導入についても、同計画(案)と密接に関わることから大きな進展は見られませんでした。
但し、昨年暮から行われたハイブリッド式バッテリートラムの走行実験については「札幌でも冬季走行可能と一定の評価が得られた」との言及がありましたので、少なくとも技術的には導入の可能性がある程度拓かれたように思われます。

詳細な議事録は後日、札幌市交通局Webサイト等に公開されるものと思われますが、まずは簡単な箇条書きではありますが以下要点のみご報告させて頂きます。

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【議事メモ】札幌市営企業調査審議会 平成20年度第1回交通部会
      平成20年6月24日(火)9:30~ 札幌市交通局本局8階講堂

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■交通事業管理者挨拶

・地下鉄  → 全ての項目で目標上回り順調に推移。
・路面電車 → H19.7に公表した基本計画検討フレームに基づいて基本計画(案)をH21年策定予定。
        よりいっそうの増収に取り組んでいきたい。

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■【報告】H20年度予算概要

<軌道事業会計> ※注)軌道=路面電車
・営業収支 264百万円赤字 19年度予算から14百万円悪化
・経常収支 123百万円赤字 19年度予算から26百万円悪化

・乗客数 減少幅は縮小しているがなかなか上昇しない。
・改良工事を進めた事により減価償却費が増。

<高速電車事業会計> ※注)高速電車=地下鉄
・営業収支 7004百万円黒字 19年度予算から5億円悪化
・経常収支 1100百万円黒字 19年度予算から7億円改善

※予算として黒字を計上するのは33年ぶり
・乗車料収入で人件費・経費・減価償却費までは賄える状況。

・年度末の不良債務 15億3000万円 ← 19年度見込みから3億円改善

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■【報告】平成20年度交通局実施プラン

<高速電車事業>
・10か年経営計画の進捗状況
 → 経常収支の改善 平成23年度黒字転換の目標を平成18年度で達成(5年前倒し)

<軌道事業>
・老朽化した車両の更新が必要。
・低床車走行実験 札幌でも冬季走行可能と一定の評価。
 但し導入には費用が嵩むことから、効率化、運営上の工夫をしなければならない。
・札幌市で活用方策検討が進められているが、
 交通局としてはそれとは別に効率化・収支改善の努力を進めなければならない。

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■【報告】女性専用車導入実験について(配布資料より)※カッコ内は口頭説明より

1. 実施路線      → 南北線 (痴漢発生件数が最も多い)
2. 実施日       → 8~9月 (学生の夏休み終了後)
3. 実験運行時間帯   → 平日始発~9:00 (痴漢発生が多い時間帯)
4. 女性専用車両の設定 → 列車1編成につき1両
5. 女性以外に乗車を可能とする条件
  → 小学生以下の男性のお子様、お身体のご不自由なお客様及び介護者のお客様
6. 女性専用車両のステッカー標示
  → (1) 女性専用車両扉ガラス、側面窓ガラス、連結部両側車両に貼付
  → (2) 各駅ホームの乗車位置床面に女性専用乗車口表示シートを設置
7. お客さまへの案内
  → (1) 各障がい者団体への導入実験の事前説明
(障がい者は特定の車両を利用する場合が多い為、
特に各障がい者団体への事前説明は充分行いたい)
  → (2) ポスター等の掲示
      地下鉄全駅の改札口付近、主要駅は壁面、ホーム中柱等にも
      女性専用車両の案内表示ポスターを貼付
  → (3) PRスポット放送
   各駅の構内放送、車内放送を行う
8、お客様アンケートの実施
  → 導入実験期間中に「お客様」アンケートを行う

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■【質疑】予算概要について

<委員A> 軌道事業が赤字続いているがその対策は?
<交通局(※以下「局」)>
     乗って頂く事が最優先。沿線とタイアップし需要喚起を図りたい。
     人件費圧縮 → 60名あまりの運転士の半分ほど非常勤化しており既に精一杯。
     努力はしているが沿線の方が利用して頂けないので厳しい。
     マンション建設が進んでいて沿線人口は増加しているので、
     都心部商店街とのタイアップし都心に出て行く機会を増やしたい。
<部会長(※民間)>
     今までも存廃議論など沢山あった。
     利用者が札幌市民のごく一部に限られている市電に予算を出して良いのかとの批判、否定的な意見もある。
     しかし路面電車の評価が世界的に高まっている。
     ガソリン値上がりの影響は乗客増などに現れていないのか?
<局>  いまのところ現れていない

<委員B> バス路線撤退について交通局の対応は?
<局>  総合交通対策の中で補助制度を活用。その制度は交通局ではなく一般会計の中で。
     交通局で何が出来るかというと、利用者の利便性向上の為にバス事業者と協力し利用増に繋げていくこと。
     局としてバス事業者に何かするということはない。
<部会長> 民営化に賛成した以上、切り捨てられる可能性は承知のはず。
      かといって放置して良いことではないので市として対応はしなければならない。難しい問題だ。

<委員C> 非常勤運転士が多過ぎるのではないか? 人を切ってコストを削減するのは問題。
<局>  仰る事は重々分かる。もう少し幅広く色々な手法を検討しなければならない。
     但し、軌道事業における運転士は正職員・非常勤職員分け隔てなく
     研修の上、国家資格(免許)を取得させており、その観点からは職員の資質管理はしっかり行っている。
<部会長> 非常勤運転士は雇用延長の方ではないのか?
<局>  元々非常勤として入ってきた、電車の運転が好きだと言う若者が継続して頑張っている状況。
<委員D> 現在の非常勤職員が正職員になる事はあるのか?
<局>  路線延長も含めて将来的な経営形態の話になる。
<委員E> 正職員と非常勤職員で給与はどの程度違うのか?
<局>  非常勤職員は正職員のほぼ半額。
<委員E> 待遇改善し職場に希望が持てるようにして欲しい。
<委員F> 昨今の事件はストレスから発生している。職員の待遇に市も心を配って欲しい。

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■【質疑】交通局実施プランについて

<委員G> ホーム柵設置 東豊線H30年設置目標は遅すぎる。3年位で設置すべき。
     ICカード JRとの共用化を準備すべき。
<局>  ホーム柵は車両側の準備が必要なので車両更新時期にあわせて設置時期を設定している。
     ICカード 基本ベースは合わせているので共用化できないことはない。
<委員B> ホーム柵設置の優先順位は上げるべき

<委員C> 1万円のウィズユーカードを買うと、裏面印字が一杯になって再発行しなければならない。
     その都度再発行するのは面倒だし採算性はどうなのか?
<局>  他事業者で1万円を出しているところは少ない。
     裏面印字をしなければならないのでコストは掛かるがサービスを優先し発行している。
     今後はICカード化が進んで状況が変わると思われる。
<委員B> ICカード導入は相当のメリットがあると考えているのか? 乗客増に繋がるのか?
<局>  磁気カードは使い捨てだがICカードは継続使用するので発券コストが相当削減できる。
     自動改札機が更新時期を迎えることもあって、あわせてICカード化を進めている。


<委員H> 座席に針金が刺さっている等の事件が発生している。安全対策は?
<局>  昨年来、悪質なイタズラが多発。
     警備会社に委託し車内巡回強化。莫大な経費が掛かっているがそれだけでは防止できない。
     職員も含めて巡回強化を図っている。サミットに際しては警察当局とも連携。
    
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■【質疑】女性専用車両導入実験について

<委員I> 事前PRで理解を得るのが重要だと思うのでしっかりやって欲しい。
<委員C> 利用者アンケートでは賛成・反対だけでなく理由も聞いているのか?
<局>  資料には含めていないがアンケートでは理由も聞いている。
      ・賛成意見「安心して乗車できる」「痴漢に間違われる心配がなくなる」など
      ・反対意見「女性専用車両以外が混雑する」「車両間に扉がないので区分が曖昧」
           「女性が他の車両に乗りづらくなる」など
<委員C> 敢えて女性専用車両は要らないのでは? むしろ高齢者優先車両などを導入しては?
<局>  高齢者等には「専用席」を用意している。
     しかし専用席を拡充するばかりでなく、乗客のマナーを醸成していくのも公共交通の使命と考えている。
<部会長> 女性専用車両が1両だけで意味があるのか? 乗客の半数ほどは女性である。
<委員E> 痴漢の件数は
<局>  H19年度 地下鉄車内での痴漢件数は35件ほど。南北線は20件で他線に比べて多い。
<委員E> 1両では乗りたくても乗れない女性がいる。2両位は必要ではないか?
<局>  事業者としては賛否が拮抗したアンケート結果に苦慮 これを参考に実験
<委員E> 他都市での実施状況は?
<局>  市営地下鉄のある9都市中5都市で実施しているが、いずれも混雑率が札幌よりも激しい
     札幌の最混雑区間で130%弱 名古屋170% 大阪150%台 東京160%台
     福岡・仙台・京都で未実施 福岡・京都は混雑率が低い
     仙台は混雑率高いが実施できない事情(4両編成なので他車両の混雑率が非常に高くなる) 
<委員B> 女性以外でも乗車できる「障がい者」はどの範囲か?
<局>  線引きは難しいが、車椅子(乗車位置が特定)、目の不自由な方、松葉杖等をついている方など。介護者も含めて。

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■【質疑】その他の意見など

<委員F> 過去に経費節減として地下の照明を減らした事があったが最近はどうなのか?
     防犯上、明るくした方が良いのでは?
     遊休設備、要らなくなった土地などの売却などは進んでいるのか?
<局>  新さっぽろなどで照明を減らしていた箇所は元に戻した。
     遊休設備などは整理を進めている。

<委員A> 観光客、コンベンションの誘致など、市民以外の利用を増やしていかないと今後は厳しいのでは?
     他部門との連携を強化すべき。

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なお、かねてより市電延伸には反対の姿勢を貫いてきた札幌商工会議所(それが商業界の総意か、一部役員の自論なのかはともかく…)の役員氏も本交通部会に委員として参画されており、果たして今回はどのような発言をされるか注目していたのですが、残念ながら「所用のため欠席」との事で御意見を伺うことは叶いませんでした。

昨年度の審議にはいささか苦言も呈しましたが、今回は「女性専用車両」「ホーム柵」といった分かりやすいテーマがあった為か、各委員からは積極的な発言があったように見受けられました。市電問題については暫くは目新しい動きはなさそうですが、地下鉄等も含めて交通局の今後の施策を関心を持って見守っていきたいと思います。(鈴木周作


【札幌LRTの会公式サイト】




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